Xgen Interactive Grooming Workflow 1

February 13, 2024

Nae Tajima

はじめに

皆さんはじめまして。KakelaStudios社員の田島です。

入社して早1年が経ちました。普段は主にCGのキャラクター制作をお手伝いしております。

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さて、本ブログ内容は、初心者向けMaya, Xgen Interactive Groomingを使用したヘア作成ワークフローについてです。

今回の記事を書こうと思ったのは、CGを始めたての時に難しいと感じたXgenのヘア作成ですが、勉強のための情報があまりに少なく、会社に入ってから学んだ内容が知らなかったことばかりで目が点になってしまったため、これらを共有できればと思ったからです。Xgenで躓いているCG初心者の方へ、少しでも助けになれば幸いです。

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なぜ従来のXgenではなくInteractive Groomingの方を使用するのかという点においては、ファイルの管理がしやすくXgenが壊れたりすることが少ないことのほか、作業の後戻りやガイドの扱いなども比較的楽にできるという点が挙げられます。

これより先は、ワークフローに従い一つ一つ順を追って作成していく過程を記載しております。（世界一やさしいかもしれないと自負）

ちょこちょこ補足を挟みながらの長めの記事となっておりますので、ブログを前半後半の２回に分けてお届けします。

どうぞお付き合いください！

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Workflow 一覧

（前半記事）

１．　リファレンスの準備

２．　頭皮メッシュの準備

３．　UV展開

４．　Create Description

５．　ガイドの作成（ヘア形成）

６．　マップの作成

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（後半記事）

７．　モディファイアの追加①（Clump）

８．　めり込み調整

９．　スカルプト

１０．モディファイアの追加②（noise, cut等)

１１．Transfer

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今回作成する髪型はミディアムボブのサイドパートヘアです。

最終的な完成図としてはこのような感じになります。（今回の記事ではマテリアルやレンダリング工程の説明は含みません。）

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始める前に、主に使用される用語を説明します。

用語集

・Collection：旧Xgen用でいう一番上のフォルダ、IGには無し

・Description：フォルダ

・Guide：黄色い線。Primitiveを少ない本数で制御する

・Primitive：一本一本の髪の毛

・Modifier：Primitiveに影響を与えるエフェクト（例:Clump.Noise.Cut）

・Map：Primitiveの生え方や、Modifierを制御する（例:RegionMap.DensityMap）

・IG：Interactive groomingの略

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では始めていきましょう！

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1. リファレンスの準備

作業を始める前に、リファレンスを用意します。（今回はPhotoshopでモデルの上からデザインを描いて最終形を確認しました。）

リファレンスのほとんどはミランダカーのミディアムボブを参考にしています。後ろはウェーブの外側ワンカールです。

正面、斜め、左右、後ろ、できれば頭頂部の参考資料があると作成時に迷うことなくスムーズです。

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2. 頭皮メッシュの準備

髪の毛を生やすための頭皮メッシュを準備します。元々あるメッシュから範囲をフェース選択し、複製します。

Lambertマテリアルがアサインされているか確認します。

（他のマテリアルだと後でMapが描けないことがあるので注意）

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☆ここでのポイント！

・髪の根本が頭部にめり込むまたは浮くということにならないよう、頭皮メッシュは頭部とぴったり合う形状のものが望ましいです。

・おでこの生え際、もみあげ、襟足部分は後で生やす範囲が足りなくなってしまうことがないように、少し多めに範囲を取っておきましょう。

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3. UV展開

頭皮メッシュのUVを開きます。

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☆ここでのポイント！

・UVが小さすぎると、後々解像度が足りずマップが上手く描けないことがあるため十分に取っておく必要があります。

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4. Create Description

早速髪の毛(Primitive)を生やしていきましょう。まずはディスクリプションを作成します。

これはXgenを制御する大元のようなものです。

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階層構造

旧　Collection > Description > Guide > Primitive > Modifire > Map

IG Description > Primitive > Modifire(Guide含む) > Map

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頭皮メッシュを選択した状態で、

【Modeling menu > Generate > Cerate Interactive Grooming Option】

(Xgen Interactive Groom Editor > Create > Inereractive Groom Splines からも作成可能）を開き、Descriptionを作成します。

ここは後からでも設定可能なため大体の数値で「Create」を実行します。

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すると、メッシュ全体に毛が生えた状態になります。

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5. Create Guide

髪の毛を制御するためのガイドを作成します。

Descriptionを選択した状態で、【Add Modifier > Guide】　

このようにGuide modifierが追加されることが確認できます。

ちなみにですが、上のハイライトされているトップレイヤー左の丸ボタンから髪の毛全体の表示非表示の切り替えが可能です。

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次に【Guide > Attribute Editor > Input Guide > Create】からヘアガイドを生成します。

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Guide layer内、【inGuide_base1 > Attribute Ediror > Generator > Density Multiplier】を0にします。

そうすることで、全体に生えたヘアガイドを一度０にし、自分で必要な分のみを植えて調整することができるためです。

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※ガイドを生やす際は、Guideレイヤー内に元々入っているSculptレイヤーのEditをONにしないと生やすことができないので注意です！

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髪の毛のガイドを生やすにはPlaceBrushを使用します。下記よりInteractive Grooming Toolsを開きましょう。

【Generate > Ineractive Grooming Tools > Place Brush】

→Tool Settings のInterpolateにチェックを入れておくことで、周りのガイドに合わせた補間を行います。

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これで頭皮メッシュに一本一本ガイドを配置し、Grab brushなどを使用しながら長さや形状を整えていきます。

Grab brush使用の際、最初は使用ブラシ選択状態で右クリックでPreserve Lengthのチェックを外すことで、ガイドの長さを調整できます。

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Brush Tips

よく使用するブラシ： Place Brush（髪の毛を植える） / Grab Brush （髪の毛を動かす）/ Freeze Brush（髪の毛をフリーズさせる）

ショートカットを覚えておくと便利です。Shift＋右クリックで他のブラシへ切り替え、使用ブラシ選択時＋右クリックで使用ブラシの操作メニューを表示することができます。

ブラシの中でもよく使用する項目を見ていきましょう。

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●　Place brush + 右クリック

interpolate：ガイド間の補間を行う

remove：配置したガイドを削除

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●　Grab brush + 右クリック

Preserve Length：ガイドの長さを保持する。チェックを外すと、Length brushを使用しなくてもGrab brushのみで長くも短くもできるため便利

Filter Back Faces：裏側のガイドはブラシの影響を受けない。これのチェックは大体OFF

Root to Tip Falloff：根本まで操作したい（根元を立ち上げたい等）場合はチェックを外す、根本を動かしたくない場合はチェックを入れる

Invert Frozen Effect：デフォルトではOFF。Freeze brush使用の際、Freezeした部分のみを動かしたい時にチェックを入れるとブラシ影響部分の切り替えが可能

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●　Freeze brush + 右クリック

Unfreeze All：Freezeした部分すべてを解除

Invert Frozen：Freeze部分とそうでない部分の反転

Brush Mode：ガイド一本全体を選択するならTool SettingsからBrush ModeをGlobalに、部分的に選択する場合はLocalに設定

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CV count

ガイドや髪の毛自体のCVの数です。

CVとはガイドを分割している点のことです。これが少ないとガイドがなめらかに曲がりません。

最初に設定したガイドのCV countをここで変更可能です（髪の毛自体のCV countはまた別項目なので注意）。

数が多すぎても調整が大変なので、最初は少なめからスタートし、後で必要な時に増やしていくのが操作しやすいかと思います。

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髪の毛はガイドを２本以上配置するとガイドに添うようになります。ガイド1本では髪は沿いません。

このように、動かしたくない髪の毛はFreezeしながら形状を整えていくと楽です。

（グレーのガイドが現在Freezeされて動かない状態）

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☆ ガイド配置時のポイント！

・ガイドは均等配置

・生え際の立ち上がりや襟足の生える方向等を意識

・この時点で髪の重なりや相互関係を丁寧にしておくと後が楽

・一方向だけでなく、色んな角度から確認する（忘れがちなのは上から見た時の後頭部の丸みや見た目）

・ガイドの付け根が頭部にめり込まないように注意（髪の毛のめり込みにも繋がる）

・分け目は近すぎず遠すぎずあんまり離れていると分け目の中間が剥げてしまう

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大体の配置が完了しました。

上段：ガイドのみ

下段：髪の毛表示＋確認用Clump Modifier

一つ目のClumpを入れた時の見た目でほとんど決まると言われているので、筆者は確認用に追加したりします。

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エラーの対処

ここで、画像赤丸部分を見ていただくと、ガイドに沿っていない飛び出た髪の毛があることに気がつくと思います。

毎度のことながら一通りガイドを配置し終わった段階でちょこちょこ発見します。それらの原因は、その箇所にガイドが足りないために起こります。

右画像のように、その位置にガイドを配置してみると、飛び出た髪の毛と同じ形状のガイドが配置されることが分かります。

これを整えることで髪の毛がガイドに沿わない問題は解決します。他にも、頭の中に埋まってしまう髪の毛や制御されていない髪の毛は大体ガイド不足やガイドの長さ、形状が合っていないなどの理由で起こり得ます。

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髪の毛が飛び出た部分の根本にガイドを打つ際、一発では配置場所が見つけられないことがあります。

一つの方法として、仮でSculptレイヤーを追加しFreezeブラシで色付けすると原因の髪の毛の根本がどこか分かりやすいです。

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また、頭皮メッシュのみを表示させると中に髪の毛がたくさんめり込んでいて焦るかと思いますが、

こちらは後でマップを入れると解決することがほとんどなのでこの時点では気に留めないでおきましょう。

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6. マップの作成

Density Mask

白黒マップで毛の密度を調整します。

主に、おでこに生えている毛やいらない範囲の毛を削除するために使用する他、生え際やもみあげなど少量の毛量を表現するためにも使用します。

【Hair Groom base > Generator > Density Mask】のChecker markをクリック。

Start colorのWhiteは髪の毛を全体に生やした状態からスタート、Blackは髪の毛全体を非表示にした状態からのスタートになります。

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★ペイントの色分けについて

白　　：生やす

グレー：控え目に生やす

黒　　：生やさない

下記はおでこやもみあげ部分など、毛が生えてほしくない部分を黒にした状態です。

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Region Control

色で範囲を指定し、分け目生成のためのマップを描きます。

【Guide > Attribute Editor > Region Control > Region Map】の右側Checker markをクリック。（Use Region Mapにチェックを入れるのを忘れない。）

※ここで注意したいのは、作成する順番。

色で分け目を指定してあげるRegion mapが先、そのmapのうちどこの部分だけを反映させたいのかを決めるRegion maskが後です。

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☆ここでのポイント！

・ブラシはハードブラシの使用をおすすめします。ソフトブラシだと境界線がぼやけていてどっちに従ったらよいか分からない迷い毛が発生することがあります。

・色はTool SettingのColorから、右上に元々ある原色を使用しています。

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…はい！ここで前半が終了しました。いかがでしたでしょうか。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。一緒に試してくださった皆様も大変お疲れ様です。

後半の記事では主に、モディファイアの追加、めり込み修正、スカルプトの項目をお届けします。

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お楽しみに！

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